つむおの財務諸表分析

投資歴7年目の経理が企業の財務諸表を分析した結果を公開しています。

ニホンフラッシュ企業分析(7820)

こんにちは!つむおです。

 

記念すべきブログ第一回目は、自分の持ち銘柄でもある「ニホンフラッシュ(7820)」の財務諸表分析をしました。あまり聞きなじみのない企業かしれません。「内装ドア」を製造販売している会社ということで正直……正直地味かと思ったそこのあなた!こういう目立たない確実で超優秀な企業を見つけて投資をするのが、投資の醍醐味です。僕も昔から投資をしている銘柄です。早速解説していきます。

 

【企業概要】

マンション向け内装ドア市場では国内トップクラスのシェアを獲得しています。日本で1日約1,800本、中国では1日約7,300本の製品を生産しており、完全オーダーメードで供給量は230万本と、世界トップクラスの生産能力を誇ります。

 

Ⅰ収益性分析

収益性分析です。

売上、利益、利益率の推移をグラフにしてます。

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2020年3月期の売上は310億円で規模的には中堅規模です。 

営業利益は47億円、営業利益率15.3%とここがすごい。製造業で平均15%以上の営業利益率をたたき出しているところは、大手だとキーエンスとかファナックとか皆が知っている?超優良企業クラスですね。BtoCの企業ではあまりお目にかかれない収益性となっています。

 

なぜここまで高い収益性が出せるのか?HPをみると工場での徹底したコスト管理と効率化等書かれてはいますが、決算書の情報だけでは正直分かりませんね笑。室内ドアはLIXILとかパナソニックとかでも作ってますから、シェア独占していて販売単価を自社でコントロールできるとか、革新的に新しいものを生み出しているとか、そういうわけでもなさそうなのでなおさらです(失礼)

 

正直僕の勤務先も製造業でありますが、比較しても10%以上利益率に差が出ます。いったい全体どうやってモノづくりしているのか…カンブリア宮殿あたりに突撃してほしい。まあ、完全オーダーメイドが特徴で、取り付けまでを行っているため、一度販売ルートを獲得できると、激しい価格競争にはさらされることがない、というところが理由なのかなという推測です。

 

続いてセグメント情報です。こちらは2020年3月期決算情報より抜粋。

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はい、ご覧のとおり70%以上を中国で稼いでいるという結果です。中国には子会社6社、主要都市に営業所30ヶ所と、同社が最も注力し、成長の柱としてすすめています。企業ニュースでも中国の昆山日門に大規模ショールームをつくったり中国の工場の新設や拡張など、積極的に中国への投資を行っています。以下中国セグメントの業績推移です。

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この通り、業績でも結果がでています。ここ最近営業利益「率」は減少傾向ではありますが、絶対額としては、ここ5年で売上も利益も倍くらいまで成長しています。恐るべし中国市場。

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一方で、日本では収益性は高いものの売上、利益ともに横ばいとなっています。まあ日本の住宅建材市場は成熟していますので、致し方ないのかなと思います。

 

Ⅱ安全性分析

続いて安全性です。数字をまとめました。

 

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まぁ、あれだけ利益が継続しているので、財務も盤石ですね。自己資本比率流動比率、固定比率すべて問題なしの水準です。特にあれこれ書くこともありません。

 

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2018年3月期に大きく投資した以外は、着実にキャッシュをため込んでますね。財務CFもマイナスなため、しっかりとお金を返しつつも営業キャッシュフローで稼いだ範囲で投資をしていることが分かります。

 

成長性分析

最後に成長性です

  

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売上高、利益は前述したとおり中国セグメントの進捗とともに着実に増加しています。21年3月期も新型コロナウイルスの影響を受けたこともあり、成長率は低いですが増販増益は確保しています。保守的な予想が多いため、ポジティブ決算が出て株価が上がるなんてことも経験しています。特に2020年3月期はそうであったかと。

 

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年々着実に自己資本、総資産が膨らんでいます。ROA、総資産回転率も上昇しており、効率的な経営で成長していることが分かります。配当性向は20.7%ですので、もっと配当を出せる原資は稼いでいるのかなと思いますが、それは今後に期待です。

 

Ⅳまとめ

ニホンフラッシュはマンション向け内装ドアというニッチな市場のトップシェアと、効率的な供給システムを武器に高収益体質を確保。M&Aや大規模な製品開発、広告ではなく、中国での代理店販売ルートと製造網の構築をはかることで、コツコツと着実に成長している住宅建材企業。中国市場の拡大と共に今後も成長持続が期待できる。

 

以上、最後のほう数字の羅列になってしましましたね…本当は投資家目線としては株価が安いかどうかの水準としてPERとかPBRとかが大切な指標なのですが、株価が絡むと現時点での人気投票的な意味合いが強いこともあり、「オーソドックスな企業の力を考える分析」ということであえて外しました。ご容赦願います。少しでも参考になれば嬉しいです。

今日もご安全に!